はじめに

 「曳舟川つれづれ草」コーナーの連載を担当させていただく向島四丁目北町会々員の横井正男です。平素は町会の役員さんはじめ会員の皆様方には、大変お世話になり感謝申し上げます。

 私は曳舟川通り沿いの現在地で、昭和16年(1941)に生まれ、地元は区立言問小学校・墨田中学校、都立墨田川高校を卒業しました。私が子供の頃、我が家の前は川幅9mほどの曳舟川で、終戦直後(1945年頃)は魚が泳ぎ、川底が見えるほど水が澄んでいました。その後、日本経済の発展に伴い、川の水は汚濁が進み、やがて埋立てられて現在の「曳舟川通り」になりました。

 私は向島の地に永く住み、学んでいるにもかかわらず、地域の歴史について知らないことばかりであることに気が付きました。父母が健在であった頃に、いろいろなことを聴いておけばよかったと反省しています。そこで、余暇に「曳舟川の由来をはじめ、地域の知らないこと」を調べ続け10年近く経過、これらを見直し「曳舟川 つれづれ草」としてまとめた次第です。郷土の歴史を知ると、私たちの町の今を理解できると思うのです。

 今回、このような機会をいただきましたが、本欄が、私の様に長い間この地に住んでいても、地元のことを知らなかった人、町内に新たに移転してきた人、そしてこれから育っていく子供たちのために、些かなりともお役に立てて頂ければ幸いです。

   令和5年(2023)10月                                                                  横井正男